上野毛の歯医者に向かう

実は、それほど真剣に考えていなかったんだけれど、今となっては真剣に考えざるを得ないというか、四六時中考えてしまうことがやむを得ないと思える。
何がって、歯の痛みの話である。
最初は放っておけばいつの間にか治っているんだろうな…と思って放置してきたのだが、最近になって徐々にその痛みが強くなっていくのを感じていた。
しかしそれでも「気のせいだ」「ほっとけば消える」という根拠のない思いばかりが頭をもたげてきて、最終的に今のように絶えずジンジンとした痛みが消えないという状態に辿り着いたのであった。
そんな私は今、上野毛の歯医者に向かっている最中である。
歯医者なんて、多分高校生以来の話であって、きっと歯医者には「なんでこんなになるまで歯医者に来なかったのか」とどやされることは必至なのだけれど、痛いのが収まるのなら、どんな罵言雑言も受けとめる覚悟である、というよりそんなのどうでもいいから早くこの痛みを止めてほしい。
ドリルで歯を削るなり、詰め物をするなりご自由にどうぞ、いくら欲しい…と心の中で呟きながら、私は列車が目的地に着くのを待つ。